なんちゃって金継ぎ
器って、気づくと欠けているものですよね。うっかり落として割ってしまうことだって日常茶飯事ですよね。割れ物ですもの。仕方がないです。高価だったりすると、割るのが怖くて来客のときしか使わない、なんて人もいるかもしれませんが、「割れるのが怖くてお気に入りの器を使わないなんてナンセンス」とプロの料理家が言っていました。だから、大事でしまっておきたくなるような器は買わないようにしています。(買わないのではなく、買えないのかも。笑)
器が欠けたり割れてしまったとき、昔から日本で行われてきた「金継ぎ」が気になるわけですが、我が家にあるようなお安い器を1万円とかかけて直すのはなんか違う気がしていました。とはいえ、接着剤でくっつけた状態じゃみっともない。なにか方法はないものかと思っており、少し前から気になっていた「新うるし」を使った金継ぎを試してみようかと。
❝「新うるし」とはいくつかのメーカーが出している「合成うるし」の中の一つの商品名です。 他に「高級うるし」「特性うるし」…などなど、いろいろなメーカーがそれぞれ名前を付けて販売しています。 「合成うるし」とは植物性の樹液を主原料とし、「漆に似せて」開発された釣り具塗装のための合成塗料です。本物の天然の漆ではありません。 ❞ by 金継ぎ図書館
釣り具を塗るために開発されたものなので、食器用には推奨されておりません。ただ、すごく微量なので、そこまで気にすることもないと、使う人も多いようです。私も、「金継ぎ」自体をやってみたくて、ここのところずっと、家中の欠けたり割れたりした器を集めておりました。
まずは割れたものを接着剤でくっつけて、パテで隙間を埋めました。欠けた部分はそれらしく形を作っていきます。パテを練って、埋めて……の作業はけっこう力が必要で、一気にやったら手がガクガクブルブルしてしまいました。パテは時間とともに固くなってくるので、大量にやるのは要注意です。乾いたあとは、はみ出た部分をナイフややすりを使って、本体の表面を傷つけないよう削っていくのですが、これまた手に負担がかかる作業。乾きすぎると削る作業が大変なので、生乾きくらいがいいかも。(私はこの作業で筋肉痛と腱鞘炎?っぽくなってしまいました。笑)
パテが乾いたら、いよいよ新うるしを塗る作業。手持ちの筆がダメになったらイヤだなぁと、100均の筆を使おうとしたらバサバサで話にならなかったので、まともな筆でやりました。薄め液で薄めながら、ちょうどよい粘度を探るのですが、その状態をキープしている時間が短いので、それなりに大変。それでも、筆で塗る作業はなかなか楽しい。なによりも、手間をかけて修復しているうちに、その物への愛着が増していくんですね。
昔割れて捨ててしまったあんなもの、こんなものも、捨てなきゃよかったなぁ……。
1週間くらいじっくり乾かしたら完成です!
◎参照⇢ 金継ぎ図書館
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